奄美群島への引越術

住まいが決まって、「次は引越!」と思って業者さんに見積もりを取ってびっくりするのが、奄美群島の島々への転居事情です。
インターネット通販でも、配達区域外、特別配送地域になりがちな離島です。都会の引越と同じと考えていると、とんでもないことになります。
東京のマンションに夫婦で暮らしていたYさんは荷物が多いと自覚していましたが、各社の見積もり金額は100万円超!
静岡に暮らしていたHさんファミリーは、引越代の高さから詰めるだけの荷物を車に積んで、後は通販で家財道具を揃える決心をしました。
賢明な引越術を、奄美群島に特化した引越サービスを展開するアイランデクス株式会社の池田さんにお聞きしました。

引越業者に普通に見積もりをお願いすると、どうしてびっくりするくらい高いの?

その1

トラック輸送にしようとするから

内地の引越はトラック輸送が当たり前ですが、離島輸送には必ず船を使った海上輸送になります。海上輸送時にトラックごとフェリーに積載するのと、コンテナだけを積載するのでは料金が大きく変わります。また、コンテナ輸送の場合はコンテナのサイズ選びだけでも料金が大きく変動するので、コンテナ積載ノウハウがないと大きなコンテナを選びがちになります。

その2

輸送経路のノウハウがないから

どこから奄美群島に引越すのかで、ベストな輸送経路が異なります。鹿児島を経由するか、沖縄を経由するかの輸送経路一つで料金はかなり違ってきます。離島への輸送が滅多にない業者さんは適切な経路を選択するのが難しいのでしょう。

その3

業者さん自体がやりたくないから

船舶での物流許可を取得していない業者さんが多く、許可がないと貨物保険が限定的です。その上、奄美群島のような離島への輸送は天候に左右されることが非常に多く、遅延や荷物の管理が通常の引越より面倒になります。離島引越は大手を含め業者さん自体が敬遠する傾向にあり、そのため高い見積もり金額になる場合があります。

引越の相場は幾らぐらいなの?

起点終点の場所以外に、シーズンやコンテナによって変わります

船やJRを利用するので、港や駅までの輸送距離とコンテナのサイズで料金の大枠は決まります。
コンテナのサイズは、
10フィート(幅約3m×奥行2.3m×高さ2.3m)の広さは4畳程度で、1LDKにお住いの荷物の少ないカップル向け
12フィート(幅約3.6m×奥行2.3m×高さ2.3m)は5畳程度で、ファミリー向け
20フィート(幅約6m×奥行2.3m×高さ2.3m)は8畳程度で、戸建ての荷物の多い方向け となります。
20フィートは10フィートの輸送料金の倍になるので、なるべく小さなコンテナに収まるように荷物を調整するかで変わります。専門家と相談しながら、適正サイズを選ぶことが重要です。
また、転勤シーズンは当然、引越の繁忙期で、料金もかなり高くなります。
一般的な相場としては、東京から12フィートの引越で税別で50~80万円程度くらいです。奄美の島々への引越に特化している当社で36~50万円くらいです。
時期を選ばなくていいのであれば、閑散期(5月~11月)の引越がお勧めです。

引越代を抑える極意はあるの?

閑散期にできるだけ小さなコンテナを選びましょう。

引越料金を抑えるポイントは、「時期」と「荷物の量」になります。
特に3月下旬から4月上旬は、避けられるなら避けた方が良いです。
この時期は、離島に勤務する学校の先生や、任期の終わった行政関係者の異動が相次ぎ、かなりの繁忙シーズンとなるため、運送料金も上がります。
引越は上の通りコンテナで行いますが、コンテナの数も限りがあり争奪戦にもなる関係で、想定のスケジュール通りに引越できないということも起こります。

時期を選んだら、後は運ぶ荷物をどれだけ減らすかが鍵です。
我々も年間1万件近くの問い合わせをいただく中で、「これは島に持って来なくてよかった」とよく聞きます。
例えば、よく聞くのが、「革製品」。
奄美群島のような湿気の多いエリアでは、一瞬でカビが生えてしまい、管理が大変だと聞きます。
また、「冬服」もかなり減らしてもいいかもしれません。
風が強い日は寒いことがあるとはいえ、厚手のコートなどは着ていく機会がそもそも無いなんてことも。
あと「自転車」も意外と使わなかった、と言われる一つです。

本当に必要なものを見定める、ということが必要なのかもしれません。

離島引越は荷物が壊れることが多いって本当なの?

コンテナ専門の業者なら基本大丈夫ですが、それでもリスクは高いです

海上輸送中は天候や波で横揺れなどが発生します。梱包をどんなに丁寧にしても、コンテナ満杯に積み込みすぎると多少の傷みはできるかもしれないとお考え下さい。 ただいずれにしても、離島引越しは複数の業者がお客様の荷物を受け渡していくため、しっかりした梱包が必要です。 引越業者の家財保険から漏れるような高額な家財は、別途ご自身で保険に加入することをお勧めします。(減価償却の関係で引越し業者の貨物保険では、まだ高価格で流通されている年式の古い家財は価値判断がかなり限定的となります。)
ちなみに、アイランデクスの段ボールは、日本一「頑丈」なダンボール「島箱(しまばこ)」で、離島専門ダンボールです。離島引越しの課題の一つが《荷物の壊れやすさ》でした。海の上で、コンテナが縦に横に大きく揺れた時に、ダンボールの中身が破損するケースが多かったのです。このダンボールが完成したことで、離島引越しの課題がまた一つ解決に近づいたと思います。

島箱

コンテナ輸送は、素人でも荷造りできるの?

可能です。まずは専門家に相談ください

船が大きく揺れることがあるので、コンテナの中身も右に左に動くものと思って梱包しないといけません。
破損リスクはトラック輸送の数倍高いものと考えてください。食器類は特に注意を要します。陸送での引越より倍以上厳重に梱包してください。 荷物どうしはなるべく傷がつかないように梱包してからコンテナ専用の積み方をしますが、段ボールの中はどうしても対策しにくいので、 割れ物はご注意ください。
冷蔵庫、洗濯機、タンスなど、肩幅より大きな家具家電は業者さんに梱包してもらいましょう。
港ではコンテナ積み替えをフォークリフトで作業します。フォークリフトは、思った以上に機敏に動き回るため、中に入っている荷物への衝撃が大きいです。

奄美引越し便のアイランデクスがこだわっているポイントは?

より安全でスムーズな離島引越しを目指して、日々改善しています

アイランデクスでは、コンテナへの「安全積載ライン」を自社基準で設定したり、コンテナ専用の「離島引越し便ダンボール」を作成したりと、破損リスクを最小限に抑える努力を重ねています。奄美群島や他の離島への移住・引越しに関する問い合わせが、年間15,000件もいただいておりますので、月日を重ねるほど専門的ノウハウも溜まってきています。
大手ほど敬遠する奄美群島へのお引越しですが、これからも、移住されるお客様に愛されるサービスであり続けられるよう、日々研鑽を積みたいと思います。奄美群島への引越しでご相談事がございましたらお気軽にWEBからお問い合わせください。

ご相談を受け、お客様の荷物を運ぶことで、お客様とのつながりが強くなっていきます。
仕事で離島を訪れる時に、既に引越されたお客様たちともご一緒に食事することもあり、様々な経験談を伺うことでさらに引越術に磨きをかけています。

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