奄美大島・加計呂麻島・請島・与路島
奄美大島は奄美群島中で最大の島で、「大島」とも呼ばれます。面積は約712km2、周囲約460km。沖縄本島、佐渡ヶ島に次ぎ、国内で3番目に大きい島です。鹿児島市から約380km、沖縄本島から約300kmの地点に位置しています。

南部に加計呂麻(かけろま)島、請(うけ)島、与路(よろ)島という有人島、その他4つの小さな無人島が点在しており、全てを含めて奄美大島と呼ばれています。奄美大島の最高峰は島の西部に位置する694mの湯湾岳で、北部以外の地域は山に囲まれています。特別天然記念物のアマミノクロウサギをはじめ、沖縄では絶滅したリュウキュウアユなど世界的にも希少な生きものが生息しています。
北部地域はその平坦な地形を生かしてサトウキビ農業などが盛んに行われています。島の中部、南部へ行くに連れ、山深くなり、斜面を利用したタンカン、スモモなどの果樹栽培が多くなります。また、南部の大島海峡では、奥深い入江を利用した養殖事業も盛んに行われています。
伝統産業は奄美独特の絹織物である本場奄美大島紬、郷土料理では鶏飯が有名です。中部の住用川のマングローブ原生林ではカヌーツアーなどで人気を集め、周辺の美しい海は漁業をはじめ、ダイビングやシーカヤックなどのマリンレジャーも盛んです。
気候は亜熱帯海洋性で、平均気温は20℃を超えるほど温暖です。年間を通じて雨が多く、湿度も高いです。曇り時々雨のち晴れ、晴れ時々曇りなど、一日の中でも天気の変化が当たり前で、日照時間は全国的にも少ないです。

(出所:名瀬測候所、1981~2010年の平均値)
冬でも15℃くらいの気温ですが、太陽を拝めることがほとんどなく、北西の風が吹くと体感温度が下がり寒く感じます。1月下旬には緋寒桜が咲き始め、タンカンの収穫の最盛期あたりから春を感じるようになります。内地と違い、桜吹雪は見られませんが、3月下旬には蛍光色の新緑が眩しいほどです。
ゴールデンウィークの途中で梅雨入りすることが多く、6月下旬ごろまで梅雨は続きます。梅雨の間は、びっくりするほどの高温多湿で、虫、カビとの戦いとなります。
6月下旬から7月上旬にかけて梅雨明けしますが、気象庁の発表を待たなくても体で梅雨明けを感じます。カラッと晴れて強い日差しとなりますが、33℃程度が最高気温なので東京よりも涼しいです。ただし、台風の当たり年などは毎週台風が通過していくこともあります。
長い夏が終わるのは11月ごろで、紅葉はありません。季節風が南風から北風に数日おきに変わり、寒暖差が出てきます。冬の到来は12月中旬くらいです。
奄美大島の人口
人口(人) | 世帯数 | ||
---|---|---|---|
奄美市 | 42,269 | 23,729 | 2021/3/31 現在 |
瀬戸内町 | 8,815 | 5,239 | 2021/3/1 現在 |
龍郷町 | 6,016 | 3,120 | 2021/3/1 現在 |
宇検村 | 1,709 | 963 | 2021/3/1 現在 |
大和村 | 1,421 | 850 | 2021/3/1 現在 |
合計 | 60,554 | 33,868 |
奄美大島には、奄美市(あまみし)、龍郷町(たつごうちょう)、大和村(やまとそん)、宇検村(うけんそん)、瀬戸内町(せとうちちょう)の5市町村、約200集落があり、総人口は約6万人です。
6万人が住んでいる島なので、奄美市名瀬を中心に買い物事情は恵まれています。買い物事情は、「日常生活での買い物は全く困らないけれど、選択肢はそんなに多くなく、ちょっと高め。生活必需品じゃないものや趣味のものの一部は揃わない」レベルです。
総合スーパーはイオンプラザ、Aコープ、タイヨー(鹿児島のスーパー)、グリーンストア(地場スーパー)などがあり、西松屋、洋服の青山、ヤマダ電機、エディオン、大きなホームセンター、ドラッグストア、ファミリーマート、地場コンビニ、ジョイフル(ファミレス)、モスバーガー、ミスタードーナッツなどが営業しています。
また、スーパーやドラッグストア、コンビニなどは瀬戸内町古仁屋、龍郷町、奄美市笠利町でも展開しています。
ただし、物価はガソリン、洗剤などの日用品など、高めと感じる人は多いです。
インターネット通販の場合、配達場所にもよりますが、おおよそ2~3日で届きます。通販会社によって離島料金加算となる場合がありますが、Amazon Primeは送料無料です。
台風や寒波など悪天候の時は、鹿児島~那覇の物資を運ぶフェリーが欠航となるので、生活物資も入ってきません。フェリーの入港が数日止まると、スーパーの棚から生鮮食料品は消えますが、パニックはおきません。
加計呂麻島は、大島海峡を挟んで奄美大島南岸と向かい合っており、海岸線が複雑に入り組んでいる周囲147.5km、面積77.25km2の細長い島です。小さな集落が30あり、約1,100人が住んでいます。
島の薩川湾は太平洋戦争中、軍港として栄え、大和や武蔵などの連合艦隊が停泊していました。今でも島には戦跡がたくさん残っています。また、渥美清の遺作となった映画「男はつらいよ」シリーズの第48作目(最終話)の舞台にもなっています。
2009年1月に「にほんの里100選」、同年4月には諸鈍シバヤが「島の宝100景」に選定されました。
島内には大きなスーパー等はありません。瀬相にある「いっちゃむん市場」以外は集落の商店になります。移動販売のトラックが島の中で営業しますが、普段の買い物は配達してくれる生協やネットスーパーを利用する人が多いです。また、古仁屋のスーパーだけでなく、時々名瀬などにある大型スーパーまで買い出しに行く人もいます。
奄美大島での移動のために古仁屋に駐車場を借りて車を置いている人もいます。島内の物価は、ガソリン料金をはじめ、奄美大島より高めですが、Amazon Primeは送料無料です。
台風や寒波など悪天候の時は、奄美大島と加計呂麻島をつなぐ町営フェリーも欠航となるので、モノも移動できませんが、パニックが起きることはありません。
請島(うけじま)は加計呂麻島の南にあり、面積約13km2で約90人が暮らす島です。 フェリーが入出港する2つの港にそれぞれ集落があります。

与路島(よろじま)は加計呂麻島の南、請島の西にあります。面積は約9km2、人口約70人で、フェリーが入出港する港に集落がひとつあります。
2009年4月にはサンゴの石垣が「島の宝100景」に選定されました。
